第3章 お誘い。
「あっ、そうだ」
買い物終わらせ
程良い距離感を意識して歩く
マンションまでの道のり。
ある事を思い出し
立ち止まると
渋谷さんも止まって
どうした?みたいな顔で振り返る。
「買い忘れ?」
「違います、違うんです」
買い物袋を肘まで通し
バッグから財布を出して
中から2000円抜き
それを渋谷さんへ。
「裸で申し訳無いんですけど…あの時、本当にありがとうございました」
「え、あ、あれ?えぇのに返さんでも」
「そんな訳には行きません。お金の貸し借りはきちっと!って言われてるので」