第3章 お誘い。
「あかんやん」
「え?」
「女の子が1人で夜道歩くのはいただけんな。酔うてるなら尚更、」
「ご、ごめんなさい…」
「タクシーとか一緒に行った相手に送って貰うとかせんと、なんかあってからでは遅いんやで」
「…気を付けます」
何故か怒られた。
夜は1人で歩くな、って
良く言わるけど
まさかお隣さんにまで
言われるなんて…
さっきまでの浮かれ気分は
どっか行っちゃって
ずーん…と体が重い。
別に大丈夫なのに。
生まれてこの方
夜道を1人で歩いてても
何も起きなかったし…
と、口角を下げて目を閉じる。