第2章 月明かりの下での出来事。
「……はい?」
「明日も来るやんな?ここ」
「え、あ、明日はちょっと用事があって…」
「そうなんや。そんだけやねん…ごめんな、止めてもうて」
「いえっ。じゃあ、お先に失礼します」
また軽く会釈したら
お隣さんに背を向け
スーパーを出た。
少し歩いたところで振り返れば
すぐ後ろ姿が目に入り見つめる。
それだけの事でも
胸が高鳴っていくなんて…
「………………」
私、きっとあの人…
お隣さんを好きになる。
早めに刻まれている
この左胸の音が何よりの証拠。
だけど、好きになっても
"それだけ"で終わるんだよ
いつもみたいに。