第9章 溢れる想い。
好きな人の腕の中に居る事。
好きな人に抱き締められてる事。
今の私はきっと世界の誰よりも幸せ者。
だけど、この部屋に
カーテンの隙間から
外の光が差し込めば
全てが離れて行く…
「……っ…だ…」
「ちゃん…?」
「渋谷さんと…このまま、」
"終わるなんて嫌だ…"
そんな言葉が喉から出たがっていた。
だけど、どこか冷静な自分がそれを食い止める。
私は誰かの代わりでしかなくて。
渋谷さんの心は
もう誰かに独り占めされてるんだから
"ずっと傍に居たい"なんて言うのは
迷惑に決まってる。