第9章 溢れる想い。
もう何回目なのか分からないキス。
1日でこんなにするとは思って無かった。
経験不足だから
どうすればいいのか分からず
されるがままでいたら
控えめに音を出し離れて行った唇。
「………ほんま可愛えぇな」
「っ…可愛くないです」
「可愛いって。大倉も亮もマルもヨコもちゃんの事可愛い言うて気に入ってもうてんねんで」
「そ、それは…もう皆さんの目にモヤでもかかってるのでは…」
「まとめて年寄り扱いされてるやん、俺ら」
「だって…信ちゃんは残念な顔って言いますもん」
と、言った直後
渋谷さんの表情が
優しいものから
険しいものへと変わった。