第9章 溢れる想い。
決める、というのは苦手分野。
強引にでも連れ込んでくれたら良いのに…
なんて責任転換しようと
卑怯な考えをする自分。
断るのが常識なのに
揺らぎまくってる心が
目の前だけの幸せへ
走らせようとしていた…
「決まったか?」
コートとスーツジャケットを脱いだ渋谷さんが
ネクタイを緩めながら戻って来る。
それ、女の子がドキッとする
モテ仕草ですよね。
もちろん、ドキッとした。
「……もう少しお時間いただけませんか、」
「えぇよ。どれくらい?」
「っと…」
どれくらいって言われても…