第8章 好きなように。
「ご、ごめんなさいっ、」
「や、大丈夫やで。俺も空いてるから、」
「(わ、笑われてる…!)」
「とりあえずどうするか俺の部屋で決めへん?」
「えっ、」
「さっきから寒くてしゃーないねん」
と、身を竦めて腕を擦り出す。
その姿に、さっきまでのシリアスな雰囲気が一掃され笑いが込み上げて来た。
「人が寒がってんのに笑うとは何事や」
「だって…なんかおじいちゃん…ふふ」
「寒さが身に染みんねん。ちゃんも歳取ったら分かるわ」
なんて言いながら
当たり前のように
私の手を取って部屋へ向かった。