第7章 どこまでも主役になれない。
帰ろうか。
そう言われると思ってたのに…
真逆の言葉を掛けられ
心臓が早く動き出す。
「そ、それはダメですっ…」
断るとこは断る。
意味分かんないよね、私。
何されても良いとか言いながら
助手席には座らないなんて。
「助手席は彼女しか座っちゃダメっていうマイルールがあるんで…」
「そうなんや。せやったら大丈夫やで」
「え…?」
「生憎、そんな相手は居らんから」
「えぇっ!?」
「驚かんでもえぇやん」
「や、だって…居なきゃおかしいですよ!優しくて格好良い人には必ず彼女が居るってのは欠かせない定番ですっ!」
「………そんな風に思ってくれてんねんや」
「あっ」
口を塞いでみたって遅い。