第7章 どこまでも主役になれない。
もう覚悟はしてある。
何も答えずに見つめ…
「渋谷さんが嫌ですか…?」
「そんな訳無いやろ」
「……っ…」
「明日は何か予定ある?」
「無いです」
「ほんなら、ちょっとだけドライブしよか」
「はいっ!」
「急に元気になったな」
と、笑いながら頭を
くしゃくしゃしてくれる。
この手も、向けられた笑顔も
何もかも全部が
今日だけは私のもの。
握られたままの手が
恋人繋ぎに変わり
隣を寄り添って歩き出す。
昨日は分からずだった
並んで歩く時の距離感も
繋がれてる手のおかげで悩まずに済んだ。
「行きたいとこある?」
「いいえ…」
「ほんなら、俺の行きたいとこでえぇ?」
「はい」
渋谷さんの行きたいとこって
どこなんだろ?
ドライブなんて初めてだから緊張しちゃう。
2人で居れるなら
どこでも良いんだけどね。