第7章 どこまでも主役になれない。
『誰にもじゃまさせない 2人の事を―――…』
渋谷さんの選んだ曲は
聴いた事が無くて…
でも、歌ってる人の名前くらいは知ってた。
訳有りな恋愛してるんだろうなぁ…と
歌詞を目で追いながら思う。
早く諦めなきゃいけない。
分かってるのに
歌うその後ろ姿が
胸を苦しくさせた。
舞台の真ん中に踊り出る程の
役どころじゃないって
自分が1番知ってたくせにね。
なんで主役になれるなんて思えたんだろ。
自分の恋なのに
脇役だなんて…
そんな酷い喜劇
どこを探しても
ここにしかない。
だったら、摘んで欲しかった
育ち始めたこの小さな恋の芽を。
悲しい花が咲いてしまう前に…
『あなたよ あなたよ 幸せになれ―――…』