第7章 どこまでも主役になれない。
ドキドキするな。
これは夢。
そう、夢なんだ。
でなければ、渋谷さんが
私に会いたいとか言うはずないもん。
全部、自分が作り出してる夢!
なんていう考えも…
『会いたいやってー!このこのー!』
『うっさいな。俺かて会いたい時あるわ!』
と、冷やかした声と怒ってる声が
現実である事を証明していた。
『やっぱりあかん?』
「っ…いいえ……私も渋谷さんに…」
『俺に?』
「会いたい、と思ってたので…行きたいです」
『…………………』
自分の心臓の音だけが
耳の中を独占する。