第6章 用意された舞台。
「あ、ありがとうございました。全部持って貰って」
「良いんですよ、これくらい。お安い御用さっ」
てやんでいっ、と
ポーズを取るから
可笑しくて
笑っちゃった。
私、多分
丸山さんという存在が
ツボかもしれない。
「可愛らしいお嬢さんやねっ、ほんま。ヤスが騒ぐのも無理ありませんわ、これは」
「やろ?」
「すばるくんが羨ましいわぁ~。僕もこの階に住みたい」
「住んで何するつもりやねん」
「醤油貸し合ったりさ、切り干し大根作り過ぎちゃってーとか言うてお裾分けしたり…」
あ、それ良いなぁ。
してみたい。
ちょっと憧れる。
基本的に誰とでも
仲良くしたいタイプだから。