第5章 返事の続きは夢の後で。
「……………それは…しゃちょー、頭ツルツルだからですよぉ」
と、肩にあった頭が
ずり落ちそうになる。
慌てて体勢を変えて支えた。
そして、起こさへんように
慎重に自分の膝の上へ頭を乗せたら
また「ふへへっ…」なんて笑いが聞こえて
思わず微笑んでもうた。
金曜日という事もあり
ホームには結構人が居ったんやけど
殆どが急行に乗って行ったから
各駅停車であるこの電車には
あまり人が乗ってない。
しかも、俺らが居る車両は最後尾やから
車掌と連結の近くの席で
腕を組み俯いて寝てるおっちゃんだけ。
これはかなりおいしい状況。