第4章 お鍋の日。
「お手洗い行って来るー。ほら、ヤス行くでっ」
「嫌やし」
「寂しいから着いて来てっ」
「…………分かった」
「ほら、横山くんも行かな。歳なんやから近いやろ」
「まだ若いっちゅーねん…まぁ、行くけど」
安田さんと渋谷さんが
醸し出していた
不穏な空気も
横山さんと大倉さんのおかげで
一掃された。
大倉さんが2人を
追い出すように
背中を押して出て行く。
「………………」
「………………」
残された私達は
静けさにふける。
黙り込んでる場合じゃない。
お礼言わなきゃ、と
渋谷さんの姿を見据えたら
タイミング良く
視線がぶつかった。