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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第8章 何故、そんな事を?








ハンジをナナバに任せ、リヴァイはエルヴィンの正面に向き直り
静かに対峙する。


「てめぇがそんな下手を打つような野郎だと思ってなかったが、
俺の見込み違いか?・・・・何か言い訳や理由があるなら
言ってみろ。今なら腹に一発で許してやる」

「・・・・・・・・・・」


エルヴィンは大きく息を吐き出すと四人に胸の内を語った。


「大きな理由は、この機を逃せば二度とナナシを抱けないだろうと
考えたからだ」

「・・・だからってっ!!」

「そしてナナシの秘密を共有してしまえば、
彼がここから出て行こうとしなくなるのではないかという
打算もあった」


ハンジの怒鳴り声を遮り、エルヴィンは淡々と答える。


「ナナシは・・・契約が終われば必ず私達の傍から
いなくなってしまうだろう。それは彼が他の人間と
秘密を共有し分かち合う事が出来ないという理由からではないかと考えた。
それなら弱っている今が彼が抱える最大の秘密を暴くチャンスだと
・・・そう思った。もう二度と何もわからないまま離れ離れになるより、
嫌われてでも彼の秘密を受け止めたかった。
結果、ナナシを傷つけてしまったが、後悔はしていない。
殴りたければ好きなだけ私を殴ればいいさ。
それでおまえ達が納得するなら構わない」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」


エルヴィンを殴って納得出来るはずがない。
そういう問題では無いからだ。

だが、同時に手立てがそれしかなかったエルヴィンの
歯痒い気持ちも少しはわかっていた。




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