過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第7章 何て自分は、さもしい存在なのだろう・・・
取り敢えず、ナナシを看病して服を着せねば、と
先程調達してきたナナシ用の衣服が入った袋に目を移す。
だが、弱り切ったあの身体で服が着れるだろうか?
・・・いや、そもそもあの豊満な胸で男用のシャツが着れるのか?
「・・・・・・・・・・・・」
うっかり胸のボタンが弾け飛びそうなくらい
パツンパツンになったシャツを着ているナナシを想像してしまい、
エルヴィンは興奮してしまった。
まずいまずいまずいまずい!!!
今にもナナシに襲いかかってしまいそうだ。
深呼吸を繰り返し、精神統一していると、
背後から「・・・ん・・・」と悩ましげなナナシの声が聞こえ
反射的に振り返ると、そこに先程の豊満な胸は無く、
ぺったんこの胸があった。
エルヴィンが後ろを向いている間に一体何が起こったのかと考え、
ある推論に至る。
「ナナシ・・・、君はもしかして男性にも女性にもなれるのか?」
「・・・・・・・・・・」
男の身体に戻ったナナシがその問いに答えることは無かったが、
エルヴィンから目を逸らしたナナシの態度から
それが可能だという結論を出す。
それなら元気になった暁には是非とも女性の身体のナナシを
抱きたいものだと考えていると、
未だにシーツに包まっているナナシが寒そうにくしゃみをしたので、
エルヴィンは慌てて彼に服を差し出した。