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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第7章 何て自分は、さもしい存在なのだろう・・・







「君のドレスを破いてしまったから、着替えを用意した。
これを着たら一緒に帰ろう」


ナナシは首を横に振り、いやいやをしたが、
エルヴィンがそれを許すはずが無い。


「帰るんだ。自分で服を着れないなら私が着せるよ」


情事が色濃く残るナナシの裸体をこれ以上晒しておくと、
またムラムラしてしまいそうなので、エルヴィンは手早く
ナナシに服を着せた。

胸の傷が目に入り心を痛めながら、シャツのボタンを留める。

自分を庇って銃弾を浴びたナナシに無体を強いてしまった事に
今更ながら罪悪感が募ったが、このままでは自分達の仲が
進展しないとも思っていた。


かなり荒療治ではあったが、ナナシの秘密を知れた事は大きいだろう。


ナナシは起きているのが辛いのかうつらうつらと眠そうに
瞼が上下していて、エルヴィンが「眠いなら寝ていなさい」と
声を掛けたが、彼は何とか意識を保とうと頑張っているようだった。


「ナナシ、君がいくら睡魔と戦っていても、私が君を逃すと
思っているのか?万が一逃げたとしてもまた捕まえるだけだ。
そして今度は逃げられないようにその手足に枷を付けさせてもらうよ」


ナナシの考えを見透かしてそう告げると、
彼が一瞬息を呑んだのがわかった。

逃げるだけ無駄だと早い内からわからせておいた方が良いだろう。


弱っているナナシは不憫だが、それとこれとは話が別だ。



絶対二度とナナシを手放さない。



エルヴィンは荷物を纏めると、ナナシを抱き上げて
待たせてある馬車に乗って調査兵団本部を目指した。





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