過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第7章 何て自分は、さもしい存在なのだろう・・・
その肉体が仄かに光っていたかと思えば、
平べったい胸が徐々に膨らみ、身体の曲線が女性と同じように
丸みを帯び変化していくのを目の当たりにしたエルヴィンは
絶句した。
今目の前で起こったことが俄には信じられず、
変化し終わった裸体をマジマジと見つめる。
これは完全に女性の身体だ・・・。
そう認識するとカッと身体が熱くなり、
下半身が元気になってしまうのは仕方のない事で、
ナナシを抱き起こしていた腕を離して後ろを向き、
「落ち着け、俺の身体!」と興奮を抑えようとしたが、
なかなか静まらない。
好きな相手の裸(しかも女性の裸体)を見て、
落ち着くはずがないのだ。
こんな事ならナナシに何か着せていれば良かったと反省するが、
女性版ナナシの裸も見れたのでラッキーとも言える。
だが、ヴィンヴィンになってしまった己の息子が
治まらなくなっているのは大問題だ。
これ以上怪我をして弱っているナナシに無体を働く訳にはいかない。
なので、これ以上息子が育たないようにナナシに背を向けたのだが、
それが何の解決にもならない事はわかっていた。