過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第7章 何て自分は、さもしい存在なのだろう・・・
ズキッと胸が痛み荒い呼吸を繰り返しながら、
ナナシはマズイと思った。
この身体はメンテナンスをしていないので、
色々と不安定なのだ。
その上、エルヴィンに抱かれたとあっては尚更身体が不安定になり、
今まで出来ていた制御が出来なくなってしまう。
これ以上エルヴィンに弱みを見せる訳にはいかないのに、
身体が言う事を聞かない。
彼は絶対ここに戻ってくるという確信がナナシにはあった。
何とかエルヴィンが戻ってくる前に逃げ出したかったのに、
世の中そう甘くないらしい。
廊下からエルヴィンのものと思われる足音が聞こえ、
ナナシはベッドに蹲りながら徐々に増す痛みを必死に耐えた。