過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第5章 もう逃さない
「私の質問に答えなさい、ナナシ。
今までどこでどうしていたんだ?怪我は大丈夫なのか?」
キュッと目を瞑るナナシの鬘を外したエルヴィンは、
漸く現れた見慣れた銀髪に目を細める。
「金髪も似合っていたけれど、私は銀髪の方が好きだな。
とても君らしい・・・。清楚で穢れを知らない白百合のようで・・・」
優しい手付きで頬を撫で、ナナシの緊張を解こうとするが、
ナナシは一言も発しない。
頑なな態度のナナシに、埒が明かないと判断したエルヴィンは
仕方なく強行手段に出ることにした。
「ナナシ・・・君には悪いが、今日は俺も退けないんだ。
大人しくしててくれよ」
そう言うとエルヴィンはナナシの服を脱がしに掛かった。
それに気づいたナナシは必死に抵抗するが、
エルヴィンが覆い被さっているせいでそれも儘ならない。
怪我をしていない状態だったら、
この状況を覆せたかもしれなかったが、
今のナナシにそんな力は残されていなかった。
だから、泣きながらやめて欲しいと懇願するしかない。