過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第35章 最期の夜明け
「君は何もわかっていない。俺は君以外の誰かを好きになる事は
あり得ないと断言出来るし、好きでもない女と所帯を持つなど御免だ。
俺の幸せは俺が決める。どうせ所帯を持つなら、君とが良い」
「・・・・私は・・・お主と所帯など持てぬ・・・」
「そう・・・だから、俺は誰とも所帯を持たないと決めている」
「・・・何故そこまで・・・」
「愚問だな。それは俺が君しか愛せないからだよ」
「愚か者め・・・。・・・だが、悪くない」
ふふっと微笑ったナナシは嬉しそうだった。
だが、次第に瞬きの数が多くなり、
ナナシの眠気が強くなっているのがわかると、
エルヴィンは心の中で口には出せない本音を叫ぶ。
―――逝くな!逝くなっ!!逝くなっ!!!
もう片時も離れたくないんだっ!!
折角気持ちが通じ合ったのに・・・これからだと思っていたのに・・・
こんな結末であってたまるかっ!!