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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第35章 最期の夜明け














エルヴィンの気持ちに応えるように、ちゃんと言葉で
「愛している」と言ってくれたナナシに
感動のあまり泣いてしまい何度も情けない姿を晒してしまったけれど、
これ程心が満たされる情事は初めてだった。


『ソロモン団長』ではなく、真っ直ぐに
『エルヴィン・スミス』を見つめてくれるナナシに心が震えた。

何度も何度も今までの隙間を埋めるように愛し合って、
やがてナナシは眠りに就いてしまったけれど、
その気持ち良さそうな寝顔を見ているだけでも
幸せな気持ちにさせてくれる彼は、
自分のとってはやはり昔から『特別』なのだ。



幼い頃、一目惚れしてからずっと探し求めていた・・・。
ナナシに少しでも似ている女性がいれば必ず口説き落としたが、
・・・当たり前だがその誰もがナナシでは無かったので、
関係を持ってもこんな気持ちにはなれず、落胆の方が大きかった。

大人になって調査兵団の団長になってから再会出来た時、
初めて神という存在に感謝したものだ。



昔と何一つ変わらないナナシに戸惑いはしたが、
それも一瞬で・・・・何が何でも自分のモノにしなければと
躍起になったが空回りに終わった気もする。

だが、今となってはどうでも良い。




この満たされた気持ちのまま『夢』を終わらせたい。






―――日が昇れば、『夢』が終わる。







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