過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第33章 ナナシの想い
――――その頃、団長執務室の前では兵士達が困惑気な表情で
右往左往していた。
騒ぎを聞きつけたリヴァイ、ミケ、ハンジ、ナナバが現れると、
兵士達は救いを求めるように縋り付いてきたので
「どうした?」と尋ねる。
「それが・・・執務室の扉に紙が貼ってありまして・・・」
兵士の一人がそう言ったのでリヴァイ達は、
貼ってあるという紙を見た。
そしてそれを読み上げた瞬間、四人は一瞬顔を顰めたが、
すぐに通常の表情を貼り付けると、集まっている兵士達に
解散を命じる。
「この紙に書いてある通り、今日は絶対ここに来るな。
書類や仕事は俺達に回せ」
リヴァイが眉間に紙が挟めそうなくらい極悪な表情で
そう言ったので兵士達は怯えながら、書類を置いて立ち去っていった。
残った四人は、もう一度扉に貼られた紙を見て、
どうするか思案する。