過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第33章 ナナシの想い
「さて・・・どうしよっか?」
「どうするも何も邪魔しようものなら、エルヴィンに殺されるだろう?」
何となく中で行われている事情を察したハンジとミケが肩を竦める。
「何で俺達があいつの尻拭いしなきゃなんねぇんだ?」
「まぁまぁ、リヴァイ。落ち着いて」
額に青筋を立てたリヴァイを諌めたナナバは苦笑しながら
「後でエルヴィンに何か奢ってもらおうよ」と声を掛ける。
四人は同時に溜息を吐いて、肩を落とした。
扉に貼られた紙面には、こう書いてあったのだ。
【本日から明朝にかけて、団長執務室への出入りを一切禁ずる。
これを破った者にはそれ相応の処分を下す。
尚、書類や仕事は全て兵士長及び分隊長などに回しておくように。
いかなる急用でも私に取り次ぐ必要は無し。
調査兵団団長 エルヴィン・スミス】