過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第31章 夢の残骸
「ソロモン団長は貴方に相応しくなかったのです!
貴方に相応しかったのは私なんだ!貴方は間違いに
すぐ気づくべきだったのに、ソロモン団長なんかに現を抜かして・・・
だから、気づかせてあげようと思っただけなのです!
貴方の隣にいるのが誰であるべきかを・・・っ!」
「・・・・・そんな理由で、ソロモンを殺したのか?」
大して大きくもない声だったはずなのに感情を
全て削ぎ落としたようなナナシの声が室内に響いた。
その場にいた三人はナナシの殺気にゾクリと身体を震わせる。
静かな・・・それでいて首元に鋭いナイフを突き付けられているような殺気に、
エルヴィンとリヴァイは興奮すら覚えた。
不純物の入っていない鋭利な殺気は、ナナシの高潔ささえ感じる。
「ふ、副長は悪い夢を見ていただけなのです。
もう一度私とやり直すべきだ。現に私は私兵の改造に成功したのです!」
「っ!?」
カールのその言葉にナナシ達は息を呑んだ。