過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第30章 続・不運な男
そんなナイルの気持ちを余所に、ナナシはリヴァイとミケにも
謝るように声を掛けた。
エルヴィンのように力技で頭を下げさせられるのは御免なので、
二人はそれぞれ「先日はすまなかった」と素直に謝る。
但し表情だけは別で、・・・・メンチを切る感じになったのは仕方無い。
本当に不本意で謝ってる感全開である。
一癖も二癖もある調査兵団の精鋭三人に言う事を聞かせる
エルヴィンの婚約者に改めて恐怖を感じながら、
ナイルは心の中で泣きそうになった。
エルヴィンが選んだだけあって、ナナリーも普通じゃない。絶対。
普通の女は屈強な男を片手で抑え込めないし、
あのエルヴィンが大人しく従うはずないのだ。
もうお似合いのカップルだよ、おまえら・・・と
自棄を起こしたくなりながら、ナイルは三人の殺気を
一身に受け続けたのだった。