過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第30章 続・不運な男
「ナナシは男にも女にもなれる便利な機能を搭載している
素晴らしい身体の持ち主だ。個人的には女性の姿を
もっと堪能したい所だが、これ以上変な虫がついても困るので
我慢している。だから、おまえらもナナシを裸にして男か女か
確かめようとしないように」
「何を勝手に暴露しておるのだ、愚か者!」
「だから」・・・って文脈がおかしすぎるだろうが!
隣に座っているエルヴィンの耳を引っ張り文句を言ったが、
既に遅く・・・・リヴァイとミケはポカンと口を開けて
ナナシを凝視していた。
「・・・という事は、今のナナシは完全に女の身体なのか?」
ミケが上から下まで忙しなく視線を動かしナナシの身体を見ながら
尋ねてきたので、仕方なく「そうだ」と肯定する。
今更隠しても仕方無い。
「・・・・匂いを・・・確かめさせてくれ」
腕を伸ばしてくるミケの手を払ったのはエルヴィンで、
その眼は完全に据わっていた。