過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第30章 続・不運な男
馬車に戻るとリヴァイとミケが繁々と女になったナナシを
見つめてくるものだから、とても居心地の悪いものとなったが、
やがてリヴァイが口を開いた。
「おまえ・・・化粧道具なんか持ってきてたのか?」
「いや?」
何を言っているのだ?と首を傾げるナナシに対し、
彼は難しい顔をしながら言う。
「女は化粧で姿形が変わると聞いたが、おまえは化粧をしなくても
別人になれるんだな」
その言葉にナナシはギクリと固まった。
そうだった・・・・。
リヴァイとミケは自分が男にも女にも自由になれるという事を
知らなかったのだ。
流される形でつい普通に変わってしまったが失敗だったなと思っていると、
事情を知っているエルヴィンが突然暴露話を始めた。