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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第29章 運命の招待状











「・・・まさか、そのカールという男は改造手術を受けたメンバーなのか?」


ナナシの警戒心と緊張感からそうとしか感じ取れず問うと、
彼からは肯定が返ってきた。


「あぁ・・・ソロモンに同行した裏切り者の中で唯一、
改造手術を受けた奴だった」


今は老人でも調査兵団幹部の一人や二人くらい道連れに
出来る力量を兼ね備えているはずだ。


ナナシが懸念する理由はそこだった。

もしも万が一、カールが調査兵団に戦闘を仕掛けた場合、
自分は皆を守れるだろうか・・・。



ナナシの告白を受けたエルヴィンは緊張した面持ちで、
どうすべきか沈思に耽る。

カールという男が敵に回ったとして、
その戦闘力を仮に本気を出したナナシとした場合、
小細工無しに勝てる確率は限りなく低いだろう。

しかも相手のフィールド内となると、更に此方が不利になってしまう。

ここはナナシの言う通り、彼一人で行かせるべきなのだろうか?


・・・いや、それは駄目だ。
今のナナシは身体が弱っていて本調子ではないのだ。
余命僅かなナナシ一人を行かせるより、精鋭をつけた方が良いだろう。

エルヴィンの持つ情報とナナシの話を聞く限り、
カールという男の目的はあくまで『ナナシ』だ。

恐らく調査兵団に危害を加えるというブラフを立て、
ナナシを誘き出し生け捕りにする事が本命だろう。

ついでに嫌いな兵団も潰そうという魂胆もあるかもしれないが、
調査兵団を舐められても困る。





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