過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第29章 運命の招待状
団長執務室に呼び出されたナナシは、
エルヴィンの指示通りその場で手紙の封を切り中身を確認した。
高級そうな紙で出来た便箋の文字を読み終えた途端、
ナナシは険しい表情を浮かべながらエルヴィンへ目を向ける。
「その手紙の内容を聞いても良いだろうか?」
エルヴィンがそう尋ねると、ナナシは大きく息を吐いて
忌々しそうに言葉を吐く。
「端的に言えば、これは招待状だ」
「招待状?」
「どこから情報が漏れたかは知らんが、『元、副長』が
調査兵団にいると嗅ぎつけた『元、迅鬼狼』メンバーが
私に会いたいそうだ。会って、話をしたいと・・・」
そう言うとナナシはエルヴィンにその手紙を手渡した。
ナナシが嫌悪感丸出しになるのは珍しく、
エルヴィンは手紙の差出人が『迅鬼狼』を
裏切った者からなのだと察しつつ、手紙の内容を読む。