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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第28章 ナナシの余命













ナナシの付き添いをしていたハンジとナナバは
突然の展開に目を白黒させてリヴァイとミケに事情を聞いた。

ナナシの余命が一ヶ月だと知った二人は泣きそうになりながらも、
「ナナシが気丈に振舞っているんだから」と言って
ぐっと涙を堪える。


そんな中溜息を吐いたのはジャックだった。


「ふむ・・・これは計算外でした。てっきりスミス様は
使い物にならなそうなものは切り捨てる主義の方と
お見受けしていましたのに、まさか死ぬまで扱き使おうと
なさるとは・・・」

「残念だったな。私は例えナナシが戦えなくなっても
ずっと傍に置いておくつもりでいた」

「・・・・・え・・・・・?」


エルヴィンの言葉にキョトンとしたのはナナシだった。

全員がどうしておまえがそんな反応をするのだと注視する中、
ナナシはしどろもどろになりながら疑問を口にする。


「え?だって・・・調査兵団の為に死ぬまで働けって事だろう?
戦えなくなったら、私は大人しく実家に・・・・」

「何を言っているんだい、ナナシ。たった今私の一世一代のプロポーズを
受けたのは君じゃないか」

「うん・・・?兵団を代表してのプロポーズっぽい雇用契約だろう?」


それを聞いて全員が唖然とした。
この期に及んでナナシの超鈍感は生きていたらしい。





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