過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第3章 不運な男
「エルヴィンはいつもナナシに関して思考が完全に犯罪者のそれだ。
何を言っているのかわからない発言ばかりしやがる。
だが、俺にもわかることがある」
「・・・何がわかるんだ?」
神妙な面持ちでリヴァイが言うので、
ナイルも真剣にそれを尋ねた。
「いつでも犯罪者を収容できるように憲兵団の牢屋を
一人分開けておく必要があるって事だけだ、ナイルよ」
「それって結局エルヴィンを牢屋にぶち込む用意を
しておけって事だよなっ!?おまえらで未然に防げよ!
頼むから!!今までだって止めてたんだろっ!?」
「被害者本人がエルヴィンをボコってたから
俺達はそれを見守るだけだった。エルヴィンに何を言っても
無駄だと学習しているからな」
「・・・・・大丈夫か、調査兵団」
ナイルが組織の有り様を心配していると、
「それで?」とリヴァイが話を軌道修正した。
「何故てめぇがナナシが子供産めないって知っていやがった?」
「それな・・・」
ナイルもやっとそういう本題だったと思い出し、
素直に答える。