過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第3章 不運な男
「エルヴィンは兎も角として、何でミケとハンジが胸揉んでんだよっ!?」
「おい、薄ら髭。師団長の権限でこの痴女と痴漢達を
牢にぶち込め。こいつらはナナシの許可無く、
通り魔のように胸を揉みやがった犯罪者だ」
至極真っ当なナイルの叫びに答えたのは、
元犯罪者(?)のリヴァイだった。
ナイルは「えぇぇ!?」と嫌そうな顔をして、
確かに許可無く通り魔的にお触りしていたら犯罪だよなと
エルヴィン達を牢屋へ入れる労力を考え、げんなりする。
「ナナシのあの胸を見て触らない方が失礼だと思わないか?
あれは絶対私を誘っていた。トランジスターグラマーとは
ナナシの為にあるような言葉だ」
「ナナシは胸を触っても本気で抵抗しなかった。
本気で抵抗されてたらとっくに殺されている」
「女同士で胸触るくらい普通でしょ~。全然犯罪者じゃないよ~」
ミケとハンジの言い分は百歩譲って良しとしても、
エルヴィンの言い分が犯罪者の思考過ぎてナイルは頭を抱えた。
ぶっちゃけ、エルヴィンが何を言っているのかわからなかった。
一体何を主張しているのだろうか?
そんなナイルの心情を察したのが、
皮肉にも一番仲が悪いリヴァイだった。