過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第3章 不運な男
「本人が言ってたんだよ。自分の身体では子供が産めないって。
だからエルヴィンには良い女性と幸せな家庭を築いて欲しいと言って
泣いていた。正直、あの時もらい泣きするところだったわ。
こんなに一途な女がエルヴィンの恋人だなんて出来すぎだってな」
あの時のナナリーを思い出し、ナイルの目頭が熱くなる。
四人もその情景を思い浮かべて言葉を失った。
ナイルの証言が本当だとすると、エルヴィンの父親の事を
どこかで知り、身を引く形になったのだろう。
それが罪悪感からなのかはわからないが、
また一つパズルのピースが嵌った気がする。
早く本人を見つけ出して問い質さなければ、とエルヴィン達は思った。