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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第26章 最後の眷属『ヤンデレ』













「決まってるじゃないか。ナナシが心配で心配で仕方なかったんだ」

「そうか・・・私はこの通り無事だ。何の問題もない」


ナナシは何とか穏便に済ませようと安心させるように笑ったが、
ヒモロギは表情を動かさずジッとナナシの顔を見据えた。


「無事?どこが?俺が何も知らないと思ってんの?」


ヒモロギの言葉に内心ギクリと動揺していると、
突然腕を掴まれ至近距離で迫られた。


「ナナシが人間達にどれだけ酷い目に合わされたのか知らない俺じゃない!
昔からそうだ!あの金髪野郎も気も食わなかったけど、
今度の金髪野郎はもっと気に食わない。俺の大事なナナシを
強姦なんかしやがってっ!!絶対許さないっ!
ナナシが出来ないって言うなら、俺があいつを殺してやるっ!!」

「・・・お、落ち着け!ヒモロギ」

「これが落ち着いていられるかっ!?俺の大事なナナシが
汚されたんだぞっ!?」


ヒモロギの眼は狂気に満ちていて、掴まれた腕にも痛い程
力が籠められる。

これは何を言っても無駄だと思い、どうやって彼の怒りを
鎮めるか考えていた時だった・・・・



「そこで何をしている?」



一番ここに来てはいけない人物の声が聞こえてきて、
ナナシは反射的にヒモロギの手を振り払い、
声の主の下へ走った。

手刀を入れて気絶させたはずなのに、
どうやら彼の防御力はこの数ヶ月で上がっていたらしい。

突然現れたエルヴィンの傍まで来たナナシは、
縋るように・・・それでいて彼の身体を押すように触れた。






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