過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第26章 最後の眷属『ヤンデレ』
「ん?どうした?飲み過ぎて気分が悪くなったか?
今すぐ君のベッドを占拠しているハンジを退かして寝かせてあげよう」
そう言うと、エルヴィンはナナシを膝から降ろし、
ハンジをベッドから床へ引き摺り下ろした。
一応エルヴィンの名誉の為に言っておくが、
エルヴィンもかなり酔っている。
でなければ(一応)女性のハンジを床に落とすような真似を
エルヴィンがするはずないのだ。
エルヴィンは何事も無かったようにナナシの所へ戻ると、
お姫様抱っこをしてナナシをベッドまで運んだ。
そして少し逡巡した後、据わった目をしながらエルヴィン自らも
ベッドにダイブしナナシに伸し掛かった。
「よく考えなくてもこの状況はとても美味しい。
思えば君の芳しい匂いが漂うベッドで眠るのは初めてだ。
それだけで興奮する」
もう一度言うが、エルヴィンは酒に酔って・・・(以下略)。
ナナシは容赦なくエルヴィンの首筋に手刀を叩き込み、
彼の意識を奪った。