過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第25章 酒盛り
「もしもナナシがそんな事をしたら・・・相手の男を
『もう死にたい。殺してくれ』と泣き叫ぶまでいたぶり尽くした後殺して、
ナナシは誰の目も届かない密室に閉じ込め、逃げられないように
鎖で繋いで毎日毎日朝から晩までその身体に快楽を教え込んで
私無しでは生きられなくしてやる」
「・・・・・・・・・・・・」
エルヴィンはやはり狂っていると思う。
発想が恐すぎるのだ!
ナナシは無言で席を立ち、エルヴィンと距離を取った。
心情を察してくれたミケが席を譲ってくれたので、
その厚意に甘える。
酒を飲まないとその恐怖に打ち勝てそうになかったので、
ハンジやリヴァイが注いでくれた酒を一気に煽った。
「・・な、なぁ、エルヴィンはもう既に酔っ払って・・・」
「無いな。あいつはまだそれ程飲んでない」
一縷の望みをかけて問いかけた言葉が玉砕した。
いっそ酔っ払いの戯言であって欲しかった!!
ゾワゾワっとナナシの身体に悪寒が走る。
エルヴィンが理解できない。
どうしてそういう発想になるのだろうか?
多分本人に聞いても、訳のわからないことを並べ立てられて
理解不能のまま終わるだろう。
ナナシは考えることやエルヴィンを理解しようとする気を放棄して、
酒とおでんを駆逐する事に専念する事にした。