過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第25章 酒盛り
「流石ツクモの料理だな。美味い・・・」
「ちょっと待て、ナナシ。この料理はツクモが作ったのか?」
ナナシの言葉に反応したのはエルヴィンで、
何故そんな事を聞くのか首を傾げながら質問に答える。
「そうだぞ。ツクモは家事全般が出来る男でな。
私の料理の師匠とも言える」
「・・・成程、君と会っていた男というのはツクモだったか」
何故かエルヴィンの声に不穏な音が混じったので目を向けると、
彼の目には殺意のようなものが宿っていて疑問に思う。
エルヴィンはツクモに何か嫌なことでもされたのだろうか?
接点は一回あった程度だと思うが・・・・。
「お主はツクモが嫌いなのか?」
「別に好き嫌いの問題ではない。・・・ただ半殺しにしたいだけだ」
「何故だっ!?」
いやいや待て待て!好きでも嫌いでも無いのに
何故半殺しにしたいのだ!?
発想が飛躍しすぎているエルヴィンの言い分が理解できず
そう叫ぶと、彼は据わった目で虚空を見つめた。