過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第25章 酒盛り
「百歩譲って私の部屋の風呂を使ったことは許してやろう。
だが、お主のポケットから私の下着が出てくるとはどういう事か
説明して貰おうか?」
「ナナシ・・・それは目の前に美味しそうな果実がなっていたら
手に取ってしまいたくなる本能のようなものだ。
私としたことが無意識に手に取ってしまっていたようで
・・・・いだだだだだっ!!!」
ナナシは容赦なくエルヴィンの左肩の関節を外し、
据わった目で彼を見下ろした。
「言いたい事はそれだけか?小童。調査兵団団長ともあろう者が
下着泥棒とは落ちぶれたものだな。もう一度両肩両足の関節を
外されてボコられたい・・・と受け取って良いんだな?
あぁ?」
「・・・・・・・待て!待ってくれっ!返すから、
それだけは・・・・っ!!」
「返すだけで済めば憲兵なんぞいらんわっ!!!」
ゴキッ!ボキッ!バキッ!と室内に不穏な音が響く中、
リヴァイ達三人は何事も無いように
せっせとテーブルセッティングを行っていく。
エルヴィンがナナシの風呂を使い、そこに干されていた下着を手に取り、
ナナシにボコられる事は容易に想像が付いていたからだ。
四人がそれぞれ持ち寄った酒もテーブルに並べ、
風呂敷に包まれていた重箱を中央に置くと、
三人は漸くナナシ達に声を掛けた。