過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第25章 酒盛り
「ねぇ、エルヴィンをボコるのはそこまでにして、
そろそろ飲もうよ~」
「この箱から嗅いだことのない美味そうな匂いがする・・・」
「その馬鹿は放っといて、とっとと始めようぜ」
三人の言葉で漸く我に返ったナナシは、
ボコボコにしたエルヴィンを床に放り投げ大人しく席についた。
床に転がされたエルヴィンは、前回同様見事に顔には
一撃も貰っておらず綺麗なものだったが、服の下はきっと
青痣だらけだろうと三人は推察する。
「相変わらず、容赦ねぇな」
「そんな事はない。今回は左肩だけしか外してないし、
ちゃんとすぐに戻した上、殴る力もかなり抑えている」
「抑えてるって、どんくらい?」
ハンジの問いにナナシは少し考えてから
「人体に影響がない程度には」と答えたが、
三人はピクリとも動かなくなったエルヴィンを見て
「あれで?」と唾を飲み込んだ。
「・・・・割と凄い音がしていたようだが?」
「音だけはな。今もエルヴィンは意識を失っておらんぞ?
ただ、神経がかなり痛んで動けないだけだ」
ミケからの質問にあっさり答えたが、それは意識を失った方が
楽だったんじゃないか?と思わされる答えで、
リヴァイ達はゾッとした。