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過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第25章 酒盛り











「よう、遅かったなナナシ」

「あ、お邪魔してるよー!」

「・・・・スン」


ナナシの部屋にいたのはリヴァイ、ハンジ、ミケの三人だった。

徳利を引っ繰り返しはしなかったが、ナナシの脱力感は半端無く、
何故この三人が自分の部屋にいるのだろうかという疑問が頭の中に渦巻く。


「おい、入り口で蹲ってねぇで、さっさとこっちに来い。
そんで極上の酒とやらを寄越せ」

「・・・な、何故それを・・・・」


リヴァイから掛けられた言葉に嫌な予感を覚えていると、
ハンジがふっふっふと笑いながら事の仔細を教えてくれた。


「ナナシ、さっきゲルガーにお酒あげたでしょう?
あいつがコップの酒を飲んで雄叫び上げてる場面に出くわしてね。
一体何のお酒を飲んでいるのかと問い詰めたら、
ナナシから貰ったって聞いて、そんなに美味しいお酒なら
あたし達も飲ませて貰おうって思って、ここに・・・・って・・・
え?ちょっと、待ってナナシ・・・・その拳は何・・・?」


ナナシは拳を握り締めながら殺気立ち、決意を固めていた。





―――ゲルガー殺すっ!!
よくも面倒な連中に情報を漏らしやがったな。
明日になったら全身の関節を外してボコボコに・・・・・




・・・そこまで考えて、ナナシはハッとある事に気づいた。

グルリと室内を見渡すが、本来いるべきはずの人物がいないのだ。

ゲルガーから話を聞いたならば、リヴァイ達よりも先にナナシを待ち構え、
尋問し、セクハラ行為をする男がここにいないのはおかしいっ!!






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