• テキストサイズ

過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】

第23章 負けた・・・










「君が・・・リヴァイと最後まで寝ていなくて本当に良かった。
もしも最後まで寝ていたら、私は団長の職務を放棄して
リヴァイを八つ裂きにしていたかもしれない」

「・・・・おい、冗談は止せ。リヴァイは調査兵団に
無くてはならない存在だろう?それを・・・・」

「・・・・・・・・・・・」


エルヴィンの目は本気の色を宿していた。
ナナシは緊張しながらエルヴィンに訴える。


「リヴァイは何も悪くないと言っただろう・・・。
悪いのは私で・・・罰を受けるなら私だと思うのだが・・・」

「そうだね、勿論だとも。君には枷を付けてどこか誰の目にも
触れない場所に閉じ込め、俺以外見えないようにしてあげるよ」


狂気を含んだエルヴィンにナナシはゾクリと身体を震わせた。

一ヶ月経っても嫉妬深さは健在で、団長としてのエルヴィンと
個人としてのエルヴィンの差が激しいと思う。


「君が他の男と添い遂げるような事が無ければ何の問題もないよ、
ナナシ」



そして完全な脅迫である。

ナナシはこれ以上エルヴィンを相手にすると
精神衛生上宜しくないと判断して、寝台から叩き落とす事も放棄し、
背を向けて眠る事にした。

一見危険そうな行為だが、経験則からしてエルヴィンは
一緒に寝たいだけで手は出してこないだろうという考えからだ。


・・・まぁ、手を出してきたら容赦なくボコるが。


予想通りエルヴィンはナナシを抱き枕のように抱くと、
ピタリと動かなくなった。

すぐに寝息が聞こえてきたので、相当疲れているのだろう。

甘え下手な大きな子供の姿を見ながら、ナナシも眠りに就いた。






/ 403ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp