過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第23章 負けた・・・
「リヴァイは・・・中に出さなかった」
「・・・・・え・・・・?」
「私をリラックスさせるように優しく・・・・その・・・
自分本位な行動は一切しなかった。お陰で私は安らかに
眠ることが出来た」
「・・・・・・・・・・・・・」
エルヴィンはぐりんと勢い良く首を動かしリヴァイを凝視した。
ナナシをガツガツ掘って征服したいような事を
言っていた男の行動とは到底思えない。
嘘だよな?おまえに限ってそんな紳士みたいな真似するはずないよな!?
という視線を投げかけると、リヴァイからは鼻で笑われ
「てめぇらみたいなゴリラと一緒にすんな」という言葉が
豪速球で返された。
リヴァイは絶対欲望のままナナシの身体を貪ると踏んでいたのに、
実際は自分達よりもずっと理性が強かった事を知った
エルヴィンとミケは色々な意味でショックを受ける。
―――負けた!!
想いの強さでは絶対誰にも負けないと思っていたのに、
一番労りの心を持っていたのはリヴァイだった。