過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第23章 負けた・・・
その日の休憩地点である廃村に辿り着いた調査兵団は
荷を降ろした後各々休息を取っていたが、
ナナシはエルヴィンに呼び出されていた。
しかも呼び出された先にはリヴァイとミケもおり、
首を傾げる。
「ナナシ、疲れている所すまないが、事実確認を行っておきたい。
少し付き合ってくれ」
「わかった」
恐らく索敵能力が復活した件だろうと思っていると、
予想を裏切らずミケの報告を受けたエルヴィンが
その事について話し始めた。
「ミケの報告によれば、ナナシの索敵能力はほぼ完璧だったという事だが・・・
ナナシ、君自身体の変調は感じられたか?」
そう問われたナナシは素直に受け答える。
「昨日よりも精神が落ち着いている感じがして・・・
身体も軽い気がする」
「それはリヴァイとの行為が良い方向に働いたと
受け取って良いのか?」
「・・・・・・・・・・・」
棘のあるエルヴィンの切り返しにナナシは口を噤み、
リヴァイに視線をやると、彼は特に動じること無く
エルヴィンを見据えていた。
リヴァイとナナシの間にあった事を知らなかったミケは
目を見張り、二人を交互に見て何か言いたそうにしていたが、
結局沈黙する事を選んだ。