過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第22章 許せないのは・・・
「良いのか?おまえがそんな調子じゃ、俺がナナシを貰っちまうぞ」
エルヴィンが眉を寄せたと同時に、
リヴァイは突然胸倉を掴まれ壁に叩きつけられるように
押さえつけられた。
「リヴァイ、これ以上俺を怒らせるな。おまえがナナシを
抱いた事を許しているはず無いだろ?調子に乗るな。
俺は壁外調査で必要だと判断したからこそ、貴様の暴挙に
目を瞑っただけに過ぎん。ここが壁外でなければ貴様の顔面を
原型がわからなくなる程殴っている」
エルヴィンの眼は瞳孔が開いて、狂気じみていた。
一人称が変わり、口調も乱暴なものとなっている。
やっと聞けたエルヴィンの本音にリヴァイは口角を吊り上げた。
「はっ!最初からそう言え。ナナシの事で少しでも本音を
隠しやがったら、俺だって容赦しねぇよ。俺はあいつが欲しい。
てめぇが建前使っている間にいつでも掻っ攫ってやるからな、
エルヴィン」
手を払い除けたリヴァイを静かに見据えながら
エルヴィンは尋ねた。