過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第21章 不調の壁外調査
「弱音・・・吐けよ。おまえはいつも弱音吐かねぇよな。
そんなんじゃ、いつか潰れちまうぞ?」
「・・・・・・・・・・リヴァイ・・・」
「あぁ」
恐る恐るといった感じでナナシは毛布の中から手を伸ばし、
リヴァイの服を掴んだ。
リヴァイはその手を包み込むようにして触れ、
ナナシが話し出すのをじっと待つ。
「巨人の気配が追えぬ・・・」
「そのようだな」
「もしも戦えなくなったらこの世界での私の存在意義が
無くなってしまう。『心臓』も取り返せず、
朽ちていくだけの我が身が恐ろしい」
「おまえはまだ戦える。今からそんな事考えるんじゃねぇ」
「考えたくなくとも考えてしまう!私は近々使い物にならなくなって・・・・」
「落ち着け、ナナシ!」
リヴァイはナナシが被っていた毛布を引き剥がし、
ナナシの上に覆い被さった。