過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第21章 不調の壁外調査
「そんな事は荷馬車が無事だった事でわかっている。
私が問題にしているのは索敵能力が失われた原因だ。
ナナシ、体調以外にも何か心当たりは・・・・」
そこで漸くナナシの顔色が青褪めている事に気づいたエルヴィンは、
これ以上ナナシを追い詰めるべきではないと判断した。
「では、君の索敵能力は明日も使えないという前提で
考えるべきという事だな?今日はもう休むと良い。
少しでも体調を整えてくれ」
「・・・・・・すまぬ」
ヨロヨロと部屋を出て行ったナナシの後ろ姿に、
その場にいた誰もが心を痛めた。
早く怪我を治すよう急かした自分にも責任があるので、
ナナシを慰めに行きたかったが、団長としてやるべき事が
多くあったためそれも出来ず歯噛みする。
そんなエルヴィンの心境を察しながら、リヴァイは部屋を抜け出した。