過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第20章 エルドの恋愛相談室
倉庫の入り口にいたのはリヴァイで、
エルドは嫌な汗を掻きながら背筋を伸ばし上官に敬礼する。
「兵長、いつからそこに・・・」
「あぁ?ナナシがエルヴィンをどう思っているか・・・辺りからだが?」
―――それってほぼ最初からじゃないですか、兵長!!
「たまたまおまえらが倉庫に入っていくのが見えたんでな。
万が一の事が無いように見守ってやってただけだ」
あー・・・それって、俺がナナシさんを襲わないかどうかの
『万が一』ですね、・・・その殺気でわかります。
エルドは顔を引き攣らせながらナナシから一歩距離を取った。
リヴァイの眼が「退け」と言っているように感じたので、
これはガチでリヴァイもナナシに気があるのだと本能で悟る。
「エルドはお主らと違って私を襲うような真似はせぬ。
・・・少し相談に乗って貰っていただけだ」
「・・・そうかよ」
ふんと鼻で笑ったリヴァイはナナシに近づき
「で?」と首を傾げた。
「エルヴィンを避けたい理由ってのを俺も聞いちまったが、
どうする?」
「別にどうもしない。お主は吹聴するような男ではないと思っている」
「それは買い被りだ。俺だって一端の人間でな。
おまえに漬け込めそうなネタがあれば、それを最大限
利用するつもりでいるが・・・」
「ほう?お主はどうしたいのだ?」
「言ったら叶えてくれんのか?」