過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第20章 エルドの恋愛相談室
――それってつまり、・・・つまり!!
兵長もナナシさんを狙ってるって事じゃないですか!!
尊敬する上官の恋愛事情を垣間見てしまったエルドは、
これならばと違う人物の名を上げる。
「じゃあ、ミケ分隊長はどうです!?ナナシさんとは仲良いでしょ!?」
「ミケも・・・・際どい所までヤられたから、微妙だ。
スイッチが入るとリヴァイより抑えが利かないタイプだぞ、
あれは」
ごふっ!と再び地面に撃沈したエルドは、
只ならぬ四角関係状態に涙が出そうになった。
うちの上官達は一体何をやっているのだろうか?
最早セクハラを超えて犯罪のレベルである。
これはナナシが調査兵団を抜けたいと言った意味も
わからなくもないな、とエルドは思った。
「エルドではダメなのか?恋人のフリ・・・」
小首を傾げて尋ねてくるナナシにエルドはきっぱりと言い切った。
「無理です。俺には恋人もいるし、団長や兵長達を敵に回しても
通常活動出来るような心臓は持ち合わせておりません。
あと胃に穴が開きます」
「そうか・・・」
シュンとしてしまったナナシはエルドから見ても
大変可愛らし・・・っていやいやいや!!
ダメだ!ここで絆されてしまったら、俺の寿命が確実に縮まる!