過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン 後編】
第20章 エルドの恋愛相談室
「恋人ではない。『婚約者ごっこ』もいい加減辞めると言ってある」
「それ、団長は了承しました?」
「・・・・・・・・・」
ですよねー・・・。
エルヴィン団長が婚約破棄(?)を許すはずありませんよねー(笑)。
相談に乗るって言ったくせに全然役に立ってないな、俺。
ガックリ肩を落とすエルドの心境を察したように、
ナナシは彼の肩をポンポンと優しく叩くと
「聞いてくれて少し心が軽くなった。ありがとう」と言った。
エルドはそんなナナシの姿を見て
「そんなに優しいから団長に漬け込まれるんですよ」と
心の中で思ったが口には出せず、どうすればこの問題を
解決出来るか必死に思案する。
そして辿り着いた打開策が
「いっそ、団長以外の恋人を作ったらどうですか?」
というものだった。
その提案にナナシは目を丸くしてエルドを凝視する。
確かにそれならエルヴィンも諦めてくれるかもしれない。
だが問題は山積している。